フリーランスから会社員に戻る理由とは?そのメリット・デメリットを解説!

「フリーランスから会社員になるには?」「フリーランスから会社員に転職する理由は?」
こんな疑問はありませんか?
わたしは採用コンサルタントやキャリアカウンセラーの経験からも、
ありとあらゆる業界の人からの相談を受けてきました。
そのなかでも「フリーランスと会社員はどちらが良いのか」と悩んでいる人は多いのですが、フリーランスから会社員に戻る人にはある共通点があります。
そこで、今回は「フリーランスから会社員に戻る理由」や「会社員に戻るメリット・デメリット」について徹底解説します。
「会社員に戻るか迷ったときの判断方法」や「フリーランス経験を強みとして活かす方法」も解説しますので、悩んでいる人は、ぜひ最後まで読んでください。
フリーランスから会社員に戻る人が増えている背景

フリーランスから会社員に戻る人が増えている背景については下記の通りです。
- 景気変動による案件の不安定化
- 個人事業の難易度上昇(競争激化・単価下落)
- 労働市場で会社員の待遇改善が進んでいる流れ
(1)景気変動による案件の不安定化
景気変動によってフリーランス案件が不安定になるケースが増えています。
景気が落ち込むと、企業はまず外部委託費を削減しやすく、単価の引き下げや契約終了が起こりやすくなります。
特にフリーランスは「固定給」がないため、月ごとの収入が乱高下しやすい働き方です。
案件が安定しない状況が続くと、精神的負担が大きくなり、将来設計を立てにくいという悩みも出てきます。
また、景気変動は広告などプロジェクト型の業界ほど影響を受けやすく、受注の波がそのまま生活リズムに直結します。
こうした不安定さを避けるために「安定収入」「社会保険」「長期的なキャリア」を求めて、会社員に戻る人が増えているのが現状です。
(2)個人事業の難易度上昇(競争激化・単価下落)
フリーランスの難易度が上がっている背景には、競争の激化と単価の下落があります。
特に近年は、AIツールの発達によって、これまで人が担っていた作業の一部が自動化され、企業が依頼する業務の範囲が変化しています。
たとえば記事作成やデザインのラフ制作など、以前は専門スキルが必要だった仕事も、AIを活用することで低コストで代替できるため、市場全体の単価が下がりやすくなっています。
さらにクラウドソーシングの普及で依頼先が増え、価格競争がより激しさを増しました。
フリーランスとして収入を維持するには、高度なスキルや独自性が求められ、精神的・時間的負荷も大きくなりがちです。こうした環境変化から、安定を求めて会社員に戻る人が増えています。
(3)労働市場で会社員の待遇改善が進んでいる流れ
近年、労働市場では会社員の待遇が改善される流れが進んでおり、これがフリーランスから会社員へ戻る人が増えている大きな要因になっています。
特にリモートワークの普及や働き方改革によって、柔軟な勤務体系を導入する企業が増えました。
以前は「会社員=画一的な働き方」というイメージがありましたが、現在はリモート勤務やフレックスタイム制などの導入している場所や時間の自由度が高い職場も増えています。
さらに、賃上げや福利厚生の強化を進める企業も多く、社会保険・有給休暇・産休育休といった制度が充実してきました。
これらはフリーランスでは自分で管理する必要があるため、会社員の環境のほうが安心だと感じる人が増えています。
また、企業側も優秀な人材確保のために職場環境を整えているため、働きやすさを評価して再び会社員に戻るケースが増加しています。
フリーランスから会社員に戻る主な理由

フリーランスから会社員に戻る主な理由を下記に解説していきます。
- 収入の安定を優先したい
- 社会保険・福利厚生の安心感
- 孤独感・ワンオペ負担の軽減
- 組織の看板が欲しい
- 将来のライフプランを考慮
- 経営企画・営業・経理など全てを対応するのが難しい
- スキルアップ環境が欲しい
(1)収入の安定を優先したい
フリーランスから会社員に戻る理由として最も多いのが、収入の安定を求める動きです。
日経経済新聞によると、フリーランスが会社員に回帰するケースでの転職が5年で3倍近くに達していると報じていて、安定を求めている人の声が多く上がっています。
(参考:日本経済新聞|フリーランス→会社員、5年で転職3倍 安定求め回帰)
フリーランスは働いた分だけ収入を得られる一方で、月によって案件数が変動しやすく、収入が大きく上下することがあります。
特に長期案件が途切れたときや、景気の影響で受注が減ったときは生活への不安が強まりやすい働き方です。
会社員の場合、毎月決まった給与が支給されるため、家計管理や将来の計画が立てやすくなります。
固定収入の安心感は精神的な負担を軽くし、仕事に集中しやすい環境をつくります。
また、住宅ローンや保険の審査では安定収入が評価されることも多く、ライフプラン全体を考えると会社員のほうが進めやすい場合もあります。
こうした背景から、収入の安定を重視して会社員へ戻る選択をする人が増えています。
(2)社会保険・福利厚生の安心感
フリーランスから会社員に戻る理由の中で、社会保険や福利厚生への安心感は大きなポイントです。
フリーランスの場合、健康保険・年金・労災などをすべて自分で管理する必要があり、保険料の負担も高くなりがちです。
一方、会社員は企業が社会保険料の半分を負担してくれるため、手取り額が安定しやすく、将来への不安も軽減されます。
さらに、有給休暇や育児休業、傷病手当金などの制度も整っているため、万が一のときに生活が大きく崩れにくい点が安心材料になります。
フリーランスは「働けない=収入がゼロ」になりやすい働き方ですが、会社員は制度によって生活を支えられる仕組みがあります。
こうした保障の手厚さから、長期的な安全性を求めて会社員に戻る人が増えています。
(3)孤独感・ワンオペ負担の軽減
フリーランスとして働く人の中には、孤独感やワンオペで抱える負担の大きさから会社員へ戻る選択をするケースもあります。
フリーランスは基本的にひとりで業務を進めるため、相談相手がいなかったり、判断に迷ったときにサポートを得にくい環境になりがちです。
また、営業・事務・実務をすべて自分でこなす必要があり、日々のタスクが積み重なることで精神的な疲労が大きくなることもあります。
会社員の場合は、チームで業務を分担できるため、ひとりで抱え込む負担が軽減されます。
困ったときに相談できる同僚がいることや、役割が明確に分かれていることは精神的な安心につながります。
コミュニケーションの機会が増えることで刺激を得られたり、学びの幅が広がる点もメリットです。こうした環境を求めて組織に戻る人が増えている傾向があります。
(4)組織の看板が欲しい
フリーランスから会社員に戻る理由のひとつに、「組織の看板を活用したい」という動きがあります。
フリーランスは個人の実力で勝負できる反面、取引先からの信頼を得るまでに時間がかかることがあります。
特に大手企業や高単価案件では、個人よりも「会社の信用力」を重視するケースが多く、営業活動に壁を感じる人も少なくありません。
会社員として働く場合、企業のブランドや実績が後ろ盾となり、商談や提案の場で信頼を得やすくなります。
組織の看板は、自分ひとりでは到達しにくいスケールの仕事に関わるチャンスを広げてくれるため、キャリアの加速にもつながります。
また、部署や上司のサポートを受けながら成果を出せる点も安心材料です。こうした理由から、個人での限界を感じ、再び組織に戻る選択をする人が増えています。
(5)将来のライフプランを考慮
将来のライフプランを見据えて、フリーランスから会社員へ戻る人も増えています。
結婚や住宅ローン、育児といった人生イベントでは、安定収入や社会保険が重要なポイントになります。
特に住宅ローンは「継続的な給与収入」を重視されることが多く、フリーランスの収入が不安定な場合、審査が厳しくなることがあります。
また、育児や家族のサポートが必要な時期は、突発的な休みや働き方の調整が発生しやすく、会社員のほうが制度面で安心できる場面もあります。
産休・育休、時短勤務など、家庭と両立しやすい制度が整っている企業が増えている点も大きな魅力です。
長期的な生活設計を考えるほど、一定の収入と保障を得られる会社員という選択が現実的になり、結果として組織に戻る人が増えている傾向があります。
(6)経営企画・営業・経理など全てを対応するのが難しい
フリーランスは自由度が高い一方で、実務以外の業務もすべて自分でこなす必要があります。
経営企画、営業、経理、契約管理など、会社では専門部署が担当する仕事を一人で抱えるため、対応範囲が広く負担が大きくなりがちです。
特に営業は、案件獲得のための提案書作成や商談が欠かせず、実務との両立で時間が圧迫されやすくなります。
経理や税務もフリーランスの悩みの種です。
請求書発行、帳簿付け、確定申告といった作業は専門知識が必要で、ミスがあるとトラブルにつながることもあります。
こうした複数の業務をワンオペで続けることに限界を感じ、会社員として役割が明確な環境に戻る人が増えています。
組織に属することで、自分の専門領域に集中できる点も大きなメリットです。
(7)スキルアップ環境が欲しい
フリーランスとして働いていると、自分で学習環境を整える必要があり、体系的にスキルを伸ばすことが難しいと感じる人もいます。
特に専門性の高い領域では、業務の幅を広げたり、最新技術をキャッチアップするために、周囲からのフィードバックやチームでの学びが欠かせません。
こうした環境が得にくいことが、会社員へ戻る理由のひとつになっています。
会社員の場合、研修制度やOJT(On-the-Job Training)など、スキルアップにつながる仕組みが整っています。
さらに、上司や同僚からの助言を受けながら業務に取り組むことで、成長のスピードが上がることがあります。
フリーランスでは一人で試行錯誤する時間が長くなりがちですが、組織に属することで学びの機会が広がるため、スキルアップを求めて再び会社員を選ぶ人が増えています。
フリーランスから会社員に戻るメリット

フリーランスから会社員に戻るメリットは下記の通りです。
- 毎月の給与が保証される
- 社会保険・有給・産休育休などの保障
- 職場での学習機会・キャリアパスが明確
- チームで仕事ができる/責任の分散
- 会社のブランドで仕事が取りやすい
(1)毎月の給与が保証される
フリーランスから会社員に戻るメリットの中でも、毎月の給与が保証される点は大きな安心材料になります。
フリーランスは案件数によって収入が大きく変動しやすく、繁忙期と閑散期の差が精神的な負担につながることがあります。
特に長期契約が終了したタイミングや、景気の影響で受注が減ったときは先行きに不安を感じやすい働き方です。
会社員の場合、仕事量に関わらず一定の給与が支給されるため、生活費の見通しが立てやすくなります。
収入が安定していると、貯金や投資、将来のライフプランを考えやすくなり、心の余裕につながります。
また、収入が変動しないことで日々のプレッシャーが軽減され、本来の業務に集中しやすいメリットもあります。こうした安定性を求めて会社員に戻る人が増えています。
(2)社会保険・有給・産休育休などの保障
フリーランスから会社員に戻るメリットとして、社会保険や有給、産休育休といった各種保障が受けられる点は大きな安心材料です。
フリーランスの場合、健康保険料や年金の負担が全額自己負担となり、手続きもすべて自分で管理する必要があります。
一方、会社員は企業が保険料の半分を負担してくれるため、負担が軽くなり、将来への不安も和らぎます。
また、有給休暇や産休育休の制度が整っている企業が増えており、働きながら家庭との両立がしやすい環境が広がっています。
特に育児や介護の場面では、会社員としての制度が大きな支えとなりやすいです。
万が一病気やケガで働けなくなったときも、傷病手当金などの制度により生活が急激に崩れにくい点も魅力です。
これらの保障はフリーランスにはない安心感をもたらし、多くの人が会社員に戻る理由のひとつになっています。
(3)職場での学習機会・キャリアパスが明確
フリーランスから会社員に戻るメリットとして、職場での学習機会が多く、キャリアパスが明確である点は大きな魅力です。
フリーランスは基本的に自分で学習計画を立てる必要があり、体系的にスキルを伸ばすのが難しくなることがあります。
一方、企業では研修制度やOJT(On-the-Job Training)など、実務を通じて学べる環境が整っています。
職場には専門性の高い同僚や上司がいるため、日々の業務を通じて自然と知識が深まり、スキルアップのスピードが高まります。
また、会社員には昇進・昇給といった明確なキャリアステップが用意されており、自分の成長を可視化しやすい点も安心につながります。
長期的に専門性を磨きたい人にとって、組織で働くことは有効な選択肢となりやすいです。
(4)チームで仕事ができる/責任の分散
フリーランスと会社員の大きな違いのひとつが、チームで仕事ができるかどうかです。
フリーランスは基本的に一人で業務を進めるため、トラブル対応や判断がすべて自分の肩に乗りやすく、責任が重く感じる場面もあります。
特に複数のタスクが重なる時期は、精神的な負担が大きくなることがあります。
会社員の場合は、チームメンバーと役割を分担しながら仕事を進められるため、業務負担が一人に集中しにくい環境が整っています。
困ったときに相談できる相手がいることや、プロジェクトを複数名で支える体制があることで、仕事の進め方に余裕が生まれます。
また、周囲とのコミュニケーションを通じて新しい視点を得られたり、自然とスキルが高まるケースもあります。
責任が分散されることで安心して働ける点は、会社員の大きなメリットです。
(5)会社のブランドで仕事が取りやすい
フリーランスから会社員に戻るメリットとして、会社のブランド力を活かして仕事が取りやすくなる点があります。
フリーランスの場合、実績がどれだけあっても「個人」としての信用を積み上げる必要があり、大手企業や高額案件では選考の土台に乗りにくい場面もあります。
企業側はリスク管理の観点から、個人より法人のほうが信頼しやすい傾向があるためです。
一方、会社員として働く場合は、所属企業のブランドや実績が営業力の一部になります。
企業名が与える安心感や知名度によって提案が通りやすくなり、大規模プロジェクトや重要な案件にも関わりやすくなります。
また、会社の信用力を背景に、取引先との関係を築きやすい点も魅力です。
個人では届きにくいレベルの仕事に挑戦できる環境が手に入ることは、キャリア形成の上で大きなメリットとなります。
フリーランスから会社員に戻るデメリット

フリーランスから会社員に戻るデメリットは下記の通りです。
- 働く時間・場所が拘束される
- 収入の上限が決まりやすい
- 業務範囲を自分で選べない
- 評価基準が組織依存になる
- フリーランス時代の自由度とのギャップが出やすい
(1)働く時間・場所が拘束される
会社員へ戻る際のデメリットとして、働く時間や場所が拘束される点は見逃せません。
フリーランスは自分の裁量で働く時間を決めたり、在宅やカフェなど好きな場所で作業できる自由度があります。
これに慣れている人にとって、会社の勤務時間に合わせる生活リズムはストレスにつながりやすい面があります。
会社員の場合、出社や決まった勤務時間が求められることが多く、急な予定変更が難しいこともあります。
特に通勤が必要な企業では、移動時間が増えるため、フリーランス時代よりも可処分時間が減ると感じる人もいます。
また、働く場所が固定されることで、自分に合った環境を選びにくくなるケースもあります。
このように、ライフスタイルの柔軟性が下がる点は会社員に戻る際の大きなデメリットとなりやすいです。
(2)収入の上限が決まりやすい
会社員へ戻る際のデメリットとして、収入の上限が決まりやすい点があります。
フリーランスはスキルや実績次第で報酬を自由に設定でき、大型プロジェクトの受注や複数案件の同時進行によって大きく収入を伸ばすことが可能です。
一方、会社員は給与テーブルや等級制度がベースとなるため、どれだけ成果を出しても短期間で大幅に収入を増やすことは難しくなりがちです。
また、昇給や昇進には評価サイクルがあり、成果が反映されるまでに時間がかかる傾向があります。
成果報酬型の働き方に慣れている人にとっては、収入面での物足りなさを感じることもあります。
自分の成長スピードや能力に見合った報酬が得にくいと感じることが、会社員に戻る際のデメリットとなりやすいポイントです。
(3)業務範囲を自分で選べない
フリーランスから会社員へ戻る際のデメリットとして、業務範囲を自分で選べない点があります。
フリーランスは自分の得意分野や興味のある案件を選んで働けるため、仕事内容をコントロールしやすい働き方です。
一方、会社員は組織の方針やチームの状況によって担当業務が決まることが多く、自分の意向と異なる仕事を任されるケースもあります。
また、会社では部署異動や新しいプロジェクトへの参加が急に決まることもあり、フリーランス時代のように仕事内容を細かく選ぶことが難しくなります。
得意な分野に集中したい人や、専門性を深めたい人にとっては、業務範囲が広がりすぎて負担を感じる場面もあります。
このように、仕事の選択権が減る点は会社員に戻る際のデメリットとなりやすいポイントです。
(4)評価基準が組織依存になる
会社員へ戻る際のデメリットとして、評価基準が組織に依存する点があげられます。
フリーランスは成果やクライアントの満足度がそのまま評価に直結するため、自分の努力が報酬に反映されやすい働き方です。
一方、会社員は組織ごとに評価制度が異なり、上司の主観や部署の方針によって評価が左右されることがあります。
また、評価サイクルが年1回や半年ごとなど長期である場合、成果がすぐに反映されないため、成長の実感を得にくいこともあります。
チーム全体の成果が重視される職場では、自分の貢献が見えにくくなるケースもあるため、成果主義に慣れている人ほど物足りなさを感じやすい傾向があります。
こうした評価の不透明さは、会社員に戻る際のデメリットとなりやすいポイントです。
(5)フリーランス時代の自由度とのギャップが出やすい
フリーランスから会社員に戻る際のデメリットとして、自由度のギャップに戸惑うケースがあります。
フリーランスは働く時間や場所、受ける案件まで自分で決められるため、生活スタイルに合わせた柔軟な働き方が可能です。
その一方で、会社員は勤務時間や出勤日、プロジェクトの方向性が組織のルールによって決まるため、裁量が減ったと感じやすくなります。
特に、急な予定変更がしづらくなったり、会議やチームとの調整が必要になることで、自分のペースで仕事が進めにくいと感じる人もいます。
フリーランス時代の“自由さ”に慣れているほど、この環境の変化がストレスにつながりやすい傾向があります。
こうした自由度の差は、会社員に戻るときに生じるギャップとして代表的なデメリットです。
会社員に戻るべきか迷ったときの判断基準

会社員に戻るべきか迷ったときの判断基準は下記の通りです。
- 収入の「安定>自由」の比重がどれくらいか
- 現状の案件がどれほど持続性があるか
- キャッシュの蓄え/事業継続リスク
- 今後伸ばしたいスキルはどちらが合っているか
- 生活環境(結婚・育児・介護など)の影響
- メンタル・体調面の負担度合い
(1)収入の「安定>自由」の比重がどれくらいか
会社員に戻るか迷うときは、「収入の安定と自由のどちらをより重視したいか」を明確にすることが重要です。
フリーランスは働き方の自由度が高い一方で、収入が月ごとに大きく変動することがあります。
特に長期案件が途切れたり、景気の影響を受けやすい業種では、安定性を確保するのが難しくなる場面もあります。
一方、会社員は自由度が下がるものの、毎月の給与が保証されるため、家計管理や将来設計がしやすくなります。
どちらが自分のストレスを軽減するか、どちらが生活への安心感につながるかを考えることで、判断しやすくなります。
「安定を最優先したい」「自由が少し制限されても問題ない」と感じるなら、会社員の働き方が合いやすいと言えます。
(2)現状の案件がどれほど持続性があるか
会社員に戻るか迷ったときは、今受けている案件がどれほど継続できるかを見極めることが大切です。
フリーランスは案件の更新や新規受注に左右されやすく、安定性が業種や景気の影響を強く受けます。
特に短期案件が多い場合や、特定のクライアントに依存している場合は、途切れた瞬間に収入が大幅に減るリスクがあります。
持続性を判断するには、契約期間の長さやクライアントの財務状況、業界全体のニーズの変化を確認することがポイントです。
AIの普及などで業務が急に縮小される可能性がある分野では、長期的な安定を見込みにくいこともあります。
案件の先行きが不透明だと感じる場合は、会社員として固定収入を確保する選択が安心につながることがあります。
(3)キャッシュの蓄え/事業継続リスク
会社員に戻るべきか迷ったときは、手元のキャッシュの蓄えと、今後の事業継続リスクを冷静に見極めることが重要です。
フリーランスは収入の波が大きく、案件が途切れたタイミングで生活が不安定になりやすい働き方です。
最低でも数か月分の生活費を確保しているか、突然収入が減ったときに対応できる余力があるかを確認することが判断材料になります。
また、事業継続リスクとは、今の働き方を安定して続けられるかどうかを示す指標です。
主要クライアントに依存していないか、業界の需要が減っていないか、AIや外注コストの変化で仕事量が減る可能性はないかなどをチェックする必要があります。
こうしたリスクが高い場合は、会社員として固定収入を得る働き方が安心につながる場合があります。
(4)今後伸ばしたいスキルはどちらが合っているか
会社員に戻るべきか迷ったときは、これから伸ばしたいスキルにどちらの働き方が合うかを考えることが大切です。
フリーランスは幅広い業務を経験しやすく、実践的なスキルを短期間で身につけやすい一方、体系的に学ぶ機会やフィードバックが得られにくい場面もあります。
そのため、自分で学習環境を整えられる人向きの働き方です。
一方、会社員は研修制度やOJTがあり、上司や同僚から助言を受けながら専門性を深められる環境があります。
専門職やマネジメントスキルを磨きたい場合は、組織での経験が長期的な成長につながることもあります。
今後どんなスキルを強化したいのか、その学び方がどちらに向いているのかを整理することで、より納得感のある選択ができるようになります。
(5)生活環境(結婚・育児・介護など)の影響
会社員に戻るべきか迷うときは、現在の生活環境がどの程度影響しているかを考えることが大切です。
結婚や育児、介護といったライフイベントは、働き方に求める条件を大きく変えることがあります。
フリーランスは自由度が高い反面、収入の波が大きく、急な休みが取りにくいなど、生活との両立が難しくなる場面があります。
一方、会社員は産休育休や時短勤務、介護休暇などの制度が整っている企業が増えており、家庭の事情に応じて働き方を調整しやすい環境があります。
また、固定収入があることで、家計の見通しが立てやすくなる点もメリットです。
家庭の変化によって働き方の優先順位が変わったと感じる場合は、生活環境に合わせて会社員を選ぶことで、無理のない働き方につながります。
(6)メンタル・体調面の負担度合い
会社員に戻るべきか迷ったときは、メンタルや体調への負担がどの程度あるかを確認することが大切です。
フリーランスは自由度が高い反面、すべての業務を自分で抱えるため、ストレスが積み重なりやすい人もいます。
営業、実務、事務処理を一人でこなす「ワンオペ状態」が続くと、心身に負荷がかかりやすく、疲労が慢性化するケースもあります。
一方、会社員はチームで業務を分担できるため、精神的な負担が軽減されやすい環境があります。
また、勤務時間が決まっていることで生活リズムを整えやすく、長期的に体調を管理しやすい点もメリットです。
もし現在の働き方で睡眠不足やストレスが続いていると感じるなら、心身の安定を優先して会社員として働く選択が適している場合があります。
フリーランス経験を“強み”として会社員で活かす方法

フリーランス経験を“強み”として会社員で活かす方法を下記に紹介します。
- 案件獲得の営業力をアピール
- 幅広い業務を回す自走力
- クライアントワークで鍛えたコミュ力
- 現場で培ったスピード感と責任感
- 企業側が即戦力として評価しやすいポイント
(1)案件獲得の営業力をアピール
フリーランスとして培った営業力は、会社員に戻る際に大きな強みになります。
フリーランスは自分で案件を獲得する必要があるため、提案力やヒアリング力、顧客の課題を見抜く力が自然と磨かれます。
これは企業での営業職や企画職でも高く評価されるスキルです。
特に、競合が多い中で自分を選んでもらうための工夫や、リピートにつなげるコミュニケーション力は、即戦力としてアピールできます。
会社員として働く場合でも、新規顧客の開拓や既存顧客との関係構築が求められる場面は多くあります。
その際、フリーランス時代に積み上げた「自分の力で仕事を取る経験」は大きな武器になります。
職務経歴書では、受注件数や成約率など具体的な実績を数字で示すと、企業側に伝わりやすくなります。
(2)幅広い業務を回す自走力
フリーランスとして働く中で身につく「自走力」は、会社員の環境でも大きな強みになります。
フリーランスは、営業・実務・企画・経理など、多岐にわたる業務を一人でこなす必要があるため、自分で課題を見つけ、必要な情報を調べ、解決まで進める力が培われます。
この自走力は、指示待ちではなく主体的に動ける人材として企業から高く評価されるポイントです。
会社員として働く場合でも、複雑な案件や新規プロジェクトでは、主体性を持って動ける人が重宝されます。
フリーランス時代に経験した幅広い業務は、柔軟な対応力や問題解決力として活かすことができます。
職務経歴書では、担当した業務の種類や自分で工夫した点を具体的に記載すると、企業に強みとして伝わりやすくなります。
(3)クライアントワークで鍛えた対人スキル
フリーランスの経験は、クライアントワークを通じて高い対人スキルを身につけられる点が強みになります。
フリーランスは、初回のヒアリングから提案、進行管理、納品まで一連のプロセスを自分で担当するため、相手の意図を正確に読み取り、わかりやすく説明する力が自然と鍛えられます。
また、立場の異なる複数の関係者と調整する経験は、企業でのプロジェクト運営にも直結します。
会社員として働く場合でも、部署間連携や顧客対応など、コミュニケーションが求められる場面は多くあります。
フリーランス時代の「期待値調整」や「要件すり合わせ」の経験は、社内外の信頼関係を築くうえで大きな武器になります。
職務経歴書では、対応したクライアント数や調整した内容を具体的に記載すると、強みとして伝わりやすくなります。
(4)現場で培ったスピード感と責任感
フリーランスとして働く中で身につく「スピード感」と「責任感」は、会社員の環境でも大きな強みとして活かせます。
フリーランスは納期を守るために自ら作業の優先順位を判断し、短期間で成果物を仕上げる必要があります。
この経験によって、タスク処理のスピードやスケジュール管理能力が自然と高まり、企業でも即戦力として評価されるポイントになります。
また、フリーランスはすべての結果が自分に返ってくるため、責任を持って仕事を進める姿勢が身につきます。
ミスが発生した際の対応や、クライアントとの信頼関係を維持するための行動は、会社員として働く上でも重要なスキルです。
こうした現場で鍛えたスピードと責任感は、職務経歴書で具体的な実績とともにアピールすると、企業側に強みとして伝わりやすくなります。
(5)企業側が即戦力として評価しやすいポイント
企業がフリーランス経験者を“即戦力”として評価しやすいポイントには、独自の強みがあります。
まず、自走力が挙げられます。
フリーランスは指示を待つのではなく、自分で課題を発見し、必要な情報を調べて仕事を前に進めているため、
企業側から「放っておいても成果を出してくれる人材」として高く評価されます。
さらに、複数案件を並行して進めてきた経験から、タスク管理能力や納期意識が磨かれている点も大きな魅力です。
企業にとっては、短期間でキャッチアップし、早い段階で成果を出せる人を採用したいというニーズがあります。
また、クライアント折衝で培った調整力や、成果物のクオリティに対するこだわりも評価ポイントです。
こうした経験を職務経歴書や面接で具体的に伝えることで、企業側から「即戦力」と判断されやすくなります。
わたしの経験談

わたしは独立後、採用コンサルタント・マーケター・キャリア支援という3つの領域でフリーランスとして活動してきました。
一般的にフリーランスは、経営企画、営業、コンサル、経理など幅広い業務を一人で担う必要がありますが、わたしの場合はこれが苦痛ではありませんでした。
むしろ、自分の意思で全体をコントロールできる点に大きな魅力を感じていました。
会社員時代のように毎月決まった固定給があるわけではありませんが、複数クライアントを同時に担当することで収入源が分散され、結果的に収入も増えて想像以上に安定しやすい働き方でした。
新規開拓や集客も自分で行えるため、「案件が途切れたらどうしよう」と不安になることはありませんでした。
また、遺伝子検査ではドーパミン優位の“狩猟民族タイプ”と診断され、変化や刺激を求める気質が強いことも分かりました。
実際、毎日が同じように流れる安定した生活よりも、変化や新しい挑戦が次々と訪れる環境のほうが圧倒的に自分に合っていました。
このように、フリーランスとしての働き方は、わたしの特性や価値観とフィットしており、今でも「自分にとって最適なキャリア選択だった」と感じています。
「起業に必要なスキル」についてはこちらの記事でも詳しい解説がありますので、参考にしてみてください。

まとめ

今回はフリーランスから会社員に戻る理由、会社員回帰のメリット・デメリットについて解説しました。
フリーランスは自由度の高い働き方である一方、仕事の意義や新規開拓するのも、自分で考えて行動していき、何かあったら責任をとる覚悟も必要となります。
フリーランスの働き方は適性によって合う、合わないがあるので、安定を好むタイプの人は会社員に回帰するのもひとつの選択肢です。
それでも雇われずにやっていきたいという人は、自分の強みを明確化して、目標設定することがポイントとなります。
また、新たな事業を始める前には、まずは副業から始めてみることで市場のニーズや自分の適性もわかるのでリスクを軽減させながら実現へと近づけていけます。
わたしは、キャリアカウンセラーやWEBマーケコンサル、ビジネスコンサルタントとしてこれまで多くの女性のキャリア相談を受けてきました。
自己分析のカウンセリングはもちろん、女性の強み発掘や独立支援もしています。
わたし自身、独立して在宅起業したことで、時間や場所に縛られず、人間関係を自由に選択できて快適な毎日を過ごせるようになりました。
今の仕事を続けるかお悩みの方、独立起業、副業などに興味のある方は、ぜひご相談ください。
また、少しでも気になった方は、「3ヶ月で雇われずに自由と収入が叶う動画講座」(LINE友だち追加するだけ無料)をご視聴ください。
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